統数研データ同化セミナー 06/28(金) 14:00-15:00
発表者:徳永
タイトル: 4Dデータからの神経細胞カルシウムイオン分布定量化手法の開発
要旨:
生物の行動は神経回路の動的な働きによってもたらされることが分かっているが、
その分子レベルでの理解はあまり進んでいない。神経回路の動作原理を解明するためには、複数の生きた神経細胞の活動状態を同時に測定•監視することが必要である。
本研究では、線虫C.エレガンスというモデル動物を用い、与えられた刺激に対する神経細胞活性化の様子を解析している。線虫の神経細胞活性化の様子は、カルシウムイメージングシステムにより空間3次元および時間1次元の4次元データとして測定される。
しかしながら、取得されたデータは低コントラストかつノイジーであり、さらに線虫の不規則な運動も加わっている。そのため、神経細胞の活動状態を定量化するには、細胞体位置とその時間変化を精度良く同定•追跡するための統計モデルの構築が重要である。本セミナーでは、現在開発を行っている細胞体自動同定手法、自動トラッキング手法ならびに輪郭抽出法について紹介し、その有効性や現段階での課題について紹介する。